解説

近年、生成AIツールであるChatGPTは企業の業務や個人の情報収集に幅広く活用されています。そのサービス提供側が、利用者にとってよりシームレスな体験を提供するため、日本国内でも広告表示によるテストを開始しました。

この変更に伴い、無料プランの利用者と一部の月額固定料金プラン(Goプラン)の成人ユーザーを主な対象とし、チャットの内容を参照したパーソナライズされた広告がサービス内に配信される仕組みになりました。一方、PlusやProといった上位プラン、または法人向けのプランを利用しているユーザーは現時点ではこのテストの直接的な影響を受けません。

対応策として、もし広告表示が気になる場合は、ChatGPTアプリの設定から「広告の制御」を通じて変更を試みることが可能です。より高いプランへアップグレードするか、日々の無料利用回数を調整することで、広告非表示の状態に移行できます。

なお、サービス提供元はユーザーの具体的なチャット履歴などの個人データ自体は広告主には渡さず、広告の表示回数やクリック数といった行動データのみを提供するとしています。こうした背景から、AIサービスの商業化が進む中で、利用体験とプライバシー保護のバランスが大きな焦点となっています。

ポイント

  • ChatGPTにおいて、無料および一部の月額プランを利用する成人ユーザーを対象に広告表示テストが日本国内で開始されました。
  • ユーザーは設定から広告非表示を選択できますが、これには上位プランへのアップグレードや利用制限の調整が必要です。
  • サービス側は個人チャット履歴そのものをデータとして提供せず、行動ログのみを提供すると明言しています。

情シスへの影響

本件はセキュリティ設定やインフラ管理における直接的な技術的影響を及ぼすものではありません。

しかし、ユーザーがChatGPTのような生成AIツールを業務利用する際、以下のようなガバナンスおよび情報取り扱いに関する検討が必要です。

  1. データ流出リスクの再確認: 広告表示によって利用行動の詳細な追跡が行われる可能性が高まるため、社内ガイドラインにおいて、どの機密情報をChatGPT等に入力してはならないかの規定を再度徹底し、管理者に周知する必要があります。

  2. アカウント管理と認証の強化: 個人の課金プランや設定変更を通じてサービスへのアクセス権限(例:無料版から有料版)が変動するため、利用部門におけるライセンス割り当ておよび不正な個人利用防止のための監視体制を再構築することが望まれます。

重要度

★★☆☆☆

対象者

  • セキュリティ担当者
  • M365管理者

優先度

様子見

推奨対応

  • 本変更が業務利用のガイドラインに与える影響について、具体的なリスク評価を行った上で判断すること。
  • 公式からの追加情報(特にデータ連携の詳細やユーザー設定の仕様)を待ってから、社員向けの注意喚起および利用ルールの改定を行うことを推奨します。
  • 万が一広告表示による行動追跡が懸念される場合は、企業アカウントでの利用を徹底し、個人の無料/Goプランを利用しないよう指示することが望ましいです。